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世界と君の重さ「第1章」①

世界と君の重さ「第1章」①

二五歳になった。大学を出て社会人になり、もう三年目だ。

ただ、志は中学生のころと変わらない。「世界征服」だ。

正確に言うと「征服」とは少し違うかもしれない。

各地で戦争が頻発し、経済は混乱、将来に関しては不安しか見えないこの世の中を変えたいというのが、おれの志だ。

そのために自分が世界の頂点に立ち、世の中を変えるというのがおれが思うところの世界征服だ。

どんな障害があろうと、おれの志が変わることはないだろう。

ただ、志は変わらずとも、環境の変化はある。

同じ志を持つ仲間ができたことだ。

たとえば伊藤あすか、二五歳/女性。

日本中の男が虜になっている、某テレビ局看板アナウンサーだ。

同い年の彼女とは、お互いが大学4年のとき、某商社の入社面接の際に知り合った。

集団面接の隣の席が彼女だったのだ。

「伊藤さん。あなたはすでにアナウンサーの内定をもらっているそうですね。それなのになぜ弊社を受けようと思ったのですか?」

面接官の問いに対し、彼女はびっくりするくらい透き通った声で答えた。

「御社の創始者が岩崎弥太郎さんだからです。『竜馬がゆく』が好きで、その中で岩崎弥太郎さんが出ていました。だから御社で働くのもありかなと思いました。」

その後彼女は面接官が止めるまでの間、延々と坂本竜馬とその志について語り続けた。

面接官はあきれた顔をしていたが、おれはそんな彼女に興味を持った。

彼女は彼女で、将来の目標について聞かれた際に「世界征服をしたいです。」と真顔で答えるおれに興味をもったらしい。

>第1章②
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