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世界と君の重さ「第1章」⑤

世界と君の重さ「第1章」⑤

自分の部屋に入ってすぐ、おれは彼女を抱きしめた。

おれの脚より細いんじゃないかと思えるような腰に右手を回し、左手で柔らかい髪に触れる。

若干震えているように感じたが気のせいだろう。

初対面の男にいきなり「抱いて」というような女性が、抱きしめられただけで震えるわけがない。

久しぶりに嗅ぐ女性の香り。

左手で優しく髪をなでるたびに、まるでそこから香りが湧き出てくるようだ。

彼女の肩にかかった髪を後ろにやり、真白な首筋に唇をつけた。

「あ…」

5秒ほど舌を這わせただけで彼女の息遣いが荒くなる。

初々しさを感じさせる反応がたまらない。狙ってやっているのだとしたらたいしたものだ。

彼女の反応を見つつ、腰にまわしていた右手をブラウスのボタンに移動させる。

その後、ブラのホックを外すまでに5秒もかからなかった。

あっという間に上半身裸になった彼女をベッドに倒した。

ベッドの上であおむけになった彼女は、両手でぱっと胸を隠す。

その仕草にわざとらしさは全く感じられない。

この初々しさを漂わせる一連の動きから察するに、彼女は相当男心を分かっているようだ。

抱かれた男は10や20じゃきかないのかもしれない。

そっと彼女の両手首をつかみ、おれは…
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