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世界と君の重さ「第1章」④

世界と君の重さ「第1章④

予想外の内容におれは戸惑った。

通常の状況なら「喜んで!」以外の返事はない。

ただ、世界征服メンバーを集めるうえで、おれには自分に課しているルールがある。

法律は破っても、自分の決めたルールは絶対破るな。」
というのが父さんの口癖だった。

自分で決めたルールを破っても罰する人は誰もいない。
ただ、一度自分を甘やかすとなかなか抜け出せなくなるのはこれまでの経験からも分かっている。

だからおれは絶対に自分が決めたルールを破るわけにはいかない。

それがおれのルールだ。

「悪いけど、それは無理なんだ。仲間と男女の関係は持たない。いざという時に情が判断を妨げるからね。これはおれが決めた絶対のルールで、このルールを破る時は、世界征服の志をあきらめた時だけだから。」

彼女はにっこりほほ笑んでうなずいた。

「上杉君の言うことはもっともだと思う。でも、私はまだ仲間じゃないでしょ。仲間にしてもらった後は、絶対こんなこと言わない。それでも駄目かな?」

おれは考えた。

彼女はぜひとも仲間に欲しい。

その美しさも、アナウンサーという職業も、計画を進める上で役に立つことは間違いない。

なによりおれの感覚が、彼女を仲間にしたいと訴えている。

彼女の言動から伝わってくる考え方やオーラが、限りなく自分のものと近い。

優秀な人や役に立ちそうな人はいくらでもいるが、感覚的に仲間にしたいと思える人はほとんどいない。

感覚的にひかれて、なおかつ確実に役に立ちそうな人材は皆無に近いと言っていいだろう。

今おれは、稀有な存在と対面している。

彼女を抱くことは自分ルール違反か?

問題はそこである。

彼女が現在仲間でないことは確かだ。

しかし、一度関係を持ってしまうことで妙な情が湧いてこないだろうか?

今後一切彼女のことを女として見ずに過ごすことができるだろうか?

おれは彼女を見つめなおす。

整った顔立ちにモデルのようなスタイル。

吸い込まれそうなくらい澄んだ瞳に、きめ細かく透き通るような肌。

今まで出会ったことのある誰よりもきれいだった。

「やっちゃえよ。」

野性的なおれがささやく。

「こんなチャンスもうないよ。」

理性的なおれもすすめてくる。

「自分ルールに反するんじゃないか?そもそも恋人でもない女と関係を持つなんて、本物の男じゃない!」

おれに流れる父さんの血はおれを責める。

自分内会議の結果、2対1の過半数議決で彼女を抱くことにした。

>第1章⑤
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